さえずり
地鳴きが聞こえてくる
まずはクックから
コケコッコォーと朝を知らせる
ほんとはもう......
とっくに起きているのだけれど
クック、おはよう!
と言ってみる
クックの鳴く声は、
条件さえ揃えば森まで聞こえてくる
気をつけてぇ~!!
と見送るクックの声を浴び、
リブからの散歩が始まる
ピーゾの子孫たち、
他のスズメ達のさえずりのアーチをくぐって階段を降り、
姫に挨拶をし、
今日の森へと土を踏む
飛脚のヒヨドリが今日の陽気を知らせゆき
ひょこひょこ歩幅を合わせたムクドリが朝の挨拶をしていく
早くもハトたちは羽根広げ、
それぞれの間隔を保って日光浴をしている
シジュウカラは、つがいで枝から枝へ
さえずりは驚くほどに美しい
シラサギは小川に沿って滑空し、
小枝を羽ばたきで避けていく
いつも一羽のシメはムクドリの群れに紛れ、
重たい体をなんとか浮かせたカモたちは羽ばたき続ける
カラスたちは頭上で今日の糧を探り、
いつしか吹き始めた春風が
一瞬、連鎖の鎖を外す
ならば、
吹き続けてくれたらいいのに、
そう思う
だけどそれはできない相談
命は命を食す
ああ、
今日はオナガたちの甲高い地鳴きが聞こえないな
大工作業のコゲラやアオゲラの姿も見えないな
今日の森
今日死んでいく、森
今日を生きる、森