バルトの散歩の番になって青空に。
鉛色の雲はいつの間にか消え、空には白い雲まで浮かんでる。
服を着ないでも散歩に行けそうだね。

今日はまた......いつも以上に尻尾を振るバルト。
散歩に行くという事が、嬉しいって思えてきた証拠だね。
それに電柱のマーキングにも興味を示すし。
心と体が一致してきた!

でも相変わらず、どのワンコに対しても吠えるバルト。
今日も散歩友達に会っての立ち話中。
ずっと唸って吠えてた。
その声は、お腹から出てる力強い声。

今のバルトにとって、あらゆる刺激が助けになる。
何より、みんなと同じだけ歩いても、まだ歩きたいって気丈さだからね。

抱えているものは多いけど、
上手く折り合いをつけて歩き出してる。

リードだって、常に補助位置にキープしてなくたって平気なほど。
たくさん歩いて、たくさん寝よう。

バルトの力と、森の助けのお陰だよ。
毎日殺されていく命だらけの中で、
その全ての命がバルトのように生きるのに、
僕らは殺していく。

木漏れ日が、煉瓦の壁を照らしてる
不規則に欠けた積み重ね
その線を指でなぞる
ザラつく結晶は鉄分の赤褐色
フランドル積みされた日から今日まで
静かにゆっくり腐食されゆく煉瓦の壁
陽射しは僕を透かし、年老いた壁を暖める
木々の揺らめきは影となり僕を生かし
小鳥たちの囀りは僕を置き去りにしていく
今日も陽は斜に暮れ
昨日の今を繰り返す
変化といえば、朽ちゆく煉瓦と陽射しの強さだけ
何を望もう
何を得よう
それには何を捨てよう
この壁の向こうに森がある
僕の指は線をなぞり、
そして、なぞり続ける
こぼれ落ちる砂粒は
僕の前に新たな壁を築きつつある
煉瓦の向こうに森がある
I would prefer not to.
お決まりのセリフを繰り返す
彼も、
そして僕も