霜が降る

霜が降る...

霜が、ふる


そう、確かにそうなのだけれど

なんだか風情を感じる

無性にその情景に縋りつきたくなる
古き人たちに......涙腺が熱くなる

そうなのだ、
確かに降ってくるのだ

小さな小さな氷の結晶


きっとそれはキラキラしているに違いない
驚きに満ちているに違いない

でも僕はその降る姿を
まだ一度も見たことがない

触れたことはあるけれど...
でもそれは積もった霜結晶

ダイヤモンドダストとは違う霜降るその風情を

いつかどこかで、
しっかりと、
見てみたいな


そこに世は映っているのかな

そこに虹は色成し得ているのかな

冷たく、でもきっと正直に螺旋を下る

そこに映る僕を僕は見てみたい

そこに映るテトを、タンゴを...ノエルを、

みんなを、
見てみたい

霜が降る


霜が降る...


霜が、ふる

そう、確かにそうなのだ!
確かに、そうなのだ


昨日、
テトを荼毘に付しました。
優しく深い心を向けてくれたみなさま、
本当にありがとうございました。
テトが逝きました...
タンゴの時から更新もできず...
やっとできた更新は、
テトの死です。
唐突で...
すっ、と、
ほんとうに何気なく息を吐き切るように......
逝ってしまいました。
テトが、
テトとして

よそ様に捨てられた可哀そうではなく、


眼球摘出だと見放された他人事ではなく、




タレント犬、テレビ犬だと使いまわされることなく、




家族として、
どうにかこうにかそこに留まってくれていて、


逝きました。






テト、


ボクのリードを信じてくれて、
ありがとう。



見えないその目で勇気を出してくれて、
ありがとう。

本当に、
ありがとうございました。




ノエルが逝き、
タンゴが逝き、
その直後にカイの調子が悪くなり...


危ないところを
なんとか点滴で復活し、
肝臓か腎臓からくるものらしく...


その後は、
高栄養食などでどうにか日常を取り戻し、
と思った矢先のテトの骨折でした。

ハハハ......
こんな、舌出すくらいの「うっかりさん」レベルのことだったら...
よかったんですけどね。


大腿骨骨折で、
しかも先が尖った折れ方で...
テトは痴呆が激しく、
しかも柴犬特有の頑固さや、年老いてからの苦しみ...
あらゆる手段で回りをガードし、
体が傷つかないようにしてきたのですが、
それでも傷が絶えず......
そんな激しい動きが、最も負担のかかる大腿骨を折った...



テトは悪性貧血があり、
痴呆があり、
高齢で......
手術のリスク
しないリスク
僕の答えは初めから決まっていたのだけれど......
Web検索、
その方面で名のある病院への相談
知り合いの頼れる先生への相談
地元の先生への相談......etc.
意見は見事に、
真っ二つでした。


アイガーの複雑骨折状態よりはマシな骨折
でも場所が悪い
年齢の違いもある
おまけに.......おまけに...........


テト!
苦しませてしまったよね
痛ませてしまったよね!
それは僕の決断でした。


今日...
2016年10月22日 (土) pm12:20
テトは逝きました。

全てを待ち、
そしてすっーっと、逝きました。

16才でした。

